CADオペレーターのリアルな現実!やりがいだけじゃない本音とデメリットを正直に語ります

CAD

これまで私はCADオペレーターについて、
「手に職」
「安定している」
「在宅も可能」
といったプラスのイメージばかりお話してしまった気がします。

確かに魅力的な職業で、私自身は「天職」だと思っています。

でも、実際に働いている人たちの本音を聞くと、決してバラ色だけではありません。
私も苦労を乗り越えてきたからこそ、今日があります。

この記事では、現場で活躍するCADオペレーターたちの声をもとに、
きれいごと抜きの「大変なこと」「デメリット」をリアルに紹介します。

 

1. 地味な作業の繰り返しで飽きやすい

CADオペレーターの仕事は、とにかく細かく地道な作業の連続です。

建築図面や配管図面、電気系統の図など、ひたすら線を引いたり寸法を調整したりする毎日。
華やかなイメージとは裏腹に、ほとんどがデスクワークで単調な業務の繰り返しです。

「ただのトレース作業ばかりで、設計のアイデアを出す機会がない」という声も多く、自分の創造性を発揮できないと感じる人も少なくありません。

設計部門にいた頃、毎日毎日“拾い”をやったことがあり、疲れとストレスが半端なかったです。


🔍「拾い」とは?

(前にも他の記事内に説明を入れた気がしますが)
「拾い」とは、図面を見ながら配管の長さや継手の数などを数え出す作業のことです。

CADデータならCADで数値を拾えるのですが、古い建物の改修工事の場合、紙の図面しかありません。
なので三スケ(三角スケール)を片手に、老眼に鞭打つように虫眼鏡を使って、図面とにらめっこしながら、配管やダクトの分岐(継手)から分岐(継手)までコツコツと測りまくります。

特に大病院の1階は間仕切り(内壁)が多いので、配管やダクトの分岐も多くて地獄を見ました。

それに、ずっと下を向いて作業するので、目はショボショボ、首と肩は凝ってバキバキ…。
終わる頃にはぐったりでした!

 

2. ミスが許されないプレッシャー

CADオペレーターのミスは、建設現場や製品の製造に直結します。

たとえば寸法を数ミリ間違えただけでも、現場で部品が合わない、取り付けできないなどの大問題に発展します。
そのため、常に正確さと集中力が求められる仕事です。

「1日中神経を使いっぱなしで、終わるとクタクタになる」
「納期が近づくと夜遅くまで修正地獄」という声も聞かれます。

フリーランスでやってると、「徹夜地獄」もたまにあります。

3. 目と肩と腰がツラい!体力的にもしんどい

長時間パソコンに向かって作業するため、目の疲れ、肩こり、腰痛など身体的な不調がつきものです。
特に年齢を重ねてくると、眼精疲労や老眼による作業効率の低下も悩みの種です。

「眼精疲労で頭痛がする」「整体に通わないとやってられない」といった現役CADオペの本音もよく聞きます。

 

4. 設計者との温度差や板挟みのストレス

CADオペレーターは設計者や現場担当者の指示をもとに作業を進めますが、ときにその指示が曖昧だったり、無理なスケジュールを押し付けられたりすることがあります。

「設計者は簡単に言うけど、図面に落とし込むのはこっちの苦労」
「板挟みになってストレスがすごい」
と、精神的なプレッシャーを感じることも多い仕事です。

面倒くさがってダブルチェックをしてくれない上司も多くて、初心者時代は、(えっ!? 全部わたしのせい…???)なんてコトが度々ありました。

 

5. キャリアの頭打ち感と将来不安

ある程度の経験を積むと、仕事内容がルーチン化してしまい、キャリアの先が見えづらくなります。

また、AIや自動化ソフトの進化により、「いつか自分の仕事がなくなるのでは?」という不安を感じている人もいます。

「正社員としての道が少ない」「待遇がなかなか上がらない」という声も多く、将来的な展望に悩む中高年のCADオペも増えています。

「施工管理」だと正社員採用されている人をたくさん見てきましたが、派遣社員のCADオペが正社員になるのは稀です。
私はスキルアップしたいと思い、3D CADで施工図を描く仕事にシフトし、いまはフリーランスで働いています。

 

6. 新しいソフトやバージョンアップへの対応が大変

CADソフトは日々進化しており、それに対応し続けるには、常に学び続ける姿勢が求められます。

「慣れた頃にバージョンアップ」「新しい操作を覚えるのが大変」と、特に年齢が高い人にとっては負担になりがちです。

私もRebroとBIMをマスターしなきゃ…。

7. 社内での評価が低いことも…

会社によっては「設計ではない」「単なる補助作業」と見なされ、正当な評価を得られにくいこともあります。その結果、モチベーションが下がってしまうケースも。

「自分がいないと図面は進まないのに、軽視されている気がする」という悩みを抱えるCADオペも少なくありません。

CADオペは派遣社員が多いので、正社員との身分差を感じることも多かったですね。

 

8. フリーランスになるにもリスクがある

在宅ワークができる職種として注目されていますが、フリーランスになると営業力や交渉力も必要になります。
また、収入の安定性や、継続的な案件確保など不安要素も多いです。

↑これは本当に感じます。
でも、不安になって派遣会社に登録してみると、還暦を過ぎた今でも、いくらでも仕事が見つかります。

他に、

  • 確定申告が必要(自分で経理を行うか、税理士に依頼する必要がある。)
  • 国民健康保険料が高額でかなり負担
  • 失業保険に加入してないので、仕事が無くなった時のことを考えると不安になる。
  • パソコン等の設備投資が高額
  • (一定の収入を超えた場合)事業税や所得税の前納など、まとまった金額の支払いが発生する。

など、
「雇われていた方が気楽だったかも」
「単価競争で疲弊する」
といった声もあり、独立してもうまくいくとは限りません。

 

まとめ

CADオペレーターは、確かにスキルがあれば働き続けられる職種ですが、その裏には多くの苦労やプレッシャーがあることも事実です。

地道で細かい作業、体力的・精神的なストレス、キャリアの限界、将来の不安…。

それでもなお、CADオペレーターを続けている人たちは、技術職としての誇りや、やりがいを見出しているからこそです。

私も、この仕事が好きだからこそ、苦労を乗り越えて、今に至ります。

「おいしいこと」ばかりお伝えしてしまうと、いざCADオペレーターになった場合、
(こんなはずじゃなかった。)
なんてことも起こり得るかも…と思って、この記事を書きました。

これからCADオペレーターを目指す方は、ぜひこのリアルな声も参考にして、「それでもやってみたい」と思えるかどうか、自分の気持ちと向き合ってみてくださいね。

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