こんにちは!
CADの仕事に興味を持ってくれて、ありがとうございます!
仲良くなった人などに「CADで図面を描いている。」と言うと、
必ずと言ってよいほど、「設計図を描いているんですか?」と返されます。
でも違うんです。私は「設計図」は描いておらず、メインの仕事は「施工図」を描くことです。
また、この世界に入ろうとしている人からよく聞かれるのが、こんな質問です。

CADオペレーターと、施工図を描く人って同じじゃないの?
この業界をご存じないかたは、「CADで図面を描く」=「設計図を描く」と思うようです。
たしかに、どちらもCADソフトを使って図面を作る仕事。
でも、実際の仕事内容や求められるスキルには大きな違いがあるんです。
今回はその違いについて説明していきますね。
そもそも「CADオペレーター」とは?
CADオペレーターというのは、
設計者や技術者の指示に従って図面を作成・修正する人のことです。
つまり、図面の“設計そのもの”は別の人がやっていて、CADオペレーターはそれを形にするお仕事です。
主な仕事内容
- 設計者のラフスケッチや赤入れを元に、CADで清書
- 図面の修正(寸法変更・表記の追加など)
- 図面の印刷・PDF化・データ整理 など
使用するソフトは、
・AutoCAD(オートキャド)
・Jw_cad(ジェイダブリューキャド)
・Vectorworks(ベクターワークス)
などが多いです。
職種によっては
・Tfas(ティーファス)
・Rebro(レブロ)
なども使われます。
CADオペレーターは、正確に・きれいに・素早く図面を描けることが求められる職種です。
設計意図をしっかり理解する必要はありますが、設計判断や現場経験がなくてもスタートできるのが特徴ですね。
一方、「施工図を描く人」ってどんな人?
「施工図を描く人」というのは、現場の工事がスムーズに進むように、実際の施工に必要な詳細な図面を作る技術者のことです。
一般的には、
「施工図技術者」または「施工図作成者」と呼ばれるのだそうです。
(自分でも、最近までその呼称を知りませんでした。)
ちなみに“CADオペレーター”は、「設計図面を作成する人」を指すことが多いそうです。
施工図の特徴
- 図面に記載される内容が非常に具体的でリアル
- 現場で使うため、寸法や納まりが厳密に求められる
- 他の業種(建築・電気・空調・給排水など)との干渉チェックが必要
施工図を描く人は、設計図をそのままCAD化するのではなく、施工会社や協力業者、現場監督と打ち合わせながら“現場で本当に施工できるかどうか”を考えて描くのが仕事です。
つまり、ただの図面作成ではなく、設計と現場の“橋渡し役”のような存在。
使用ソフトはTfas、Rebro、AutoCADなどが多いですね。
CADオペレーターと施工図担当の違いを整理すると…
以下の表で、ざっくりと違いを比べてみましょう。
項目 | CADオペレーター | 施工図を描く人(施工図担当) |
---|---|---|
主な役割 | 設計者の指示通りに図面を作成・修正 | 現場で実際に施工するための図面を作成 |
求められるスキル | CAD操作のスピード・正確さ | 現場知識、施工の知識、納まりの理解 |
対象の図面 | 意匠図、基本設計図、製品図など | 詳細な施工図(配管図・ダクト図・スリーブ図など) |
仕事の進め方 | 指示ベース(受け身) | 自主的な判断・調整が必要(能動的) |
未経験からOK? | 比較的入りやすい | 実務経験や建築・設備知識が必須 |
よくある誤解:「CADオペレーター=図面を描く人」ではない?
「図面を描く=CADオペレーター」と思われがちですが、“施工図を描く”というのはもっと高度な仕事です。
CADオペレーターは、設計者や施工図担当のサポート役として活躍することが多く、実際に図面の内容を決めるポジションではありません。
一方、施工図担当は、
「ここはどう納めたらいい?」
「この配管、梁に当たるけどどう通す?」
といった、現場の課題を解決する役割も担っており、「設計寄りの仕事」と「現場寄りの仕事」のちょうど中間に立つポジションとも言えます。
ちなみに私個人は、「ダクト図」を描くのが一番好きです。
ダクトは配管や配線等と比べると、ずっとサイズが大きいので、その分、配管や配線、柱や梁などをかわしながら通していくのが大変です。
ですので、パズルを解くように頭をひねってひねって収まりを考え、うまく収まった図面が完成した時の達成感は、ひとしおです!
施工図を描く人になるには、どんな経験が必要?
施工図を描くには、以下のような経験やスキルが必要です。
- 建築・設備・電気などの業界経験
- 図面だけでなく、現場の流れや納まりに関する知識
- 他業種との調整能力(図面上での干渉チェックなど)
- 実際の工事の流れをイメージできる力
そのため、「いきなり施工図担当を目指す」のはハードルが高めです。
逆に、現場経験者などは知識があるぶん、本気でCADを学ぶ気になれば、アッと言う間に施工図を描けるようになっています。
ですので、建築・施工の知識が乏しい場合は、まずはCADオペレーターとして経験を積み、徐々に施工図にチャレンジしていくルートがおすすめです。
まとめ|目指す働き方によって、進む道は違う!
「CADが使えるようになりたい!」という気持ちからスタートする人も多いですが、ゴールによって学ぶ内容や仕事の進め方も大きく変わります。
- アシスタント・在宅ワークや副業で働きたい → CADオペレーター
- 本業にして高報酬を得たい(後々、在宅ワーク可)→ 施工図作成者
どちらが正解というわけではありませんが、自分に合った働き方を見つけることが大切です。
まずはCADの基本操作を学び、少しずつ現場の知識も身につけていけば、施工図を描けるレベルに到達することも十分可能です。
CADの世界は奥が深いですが、その分やりがいもたっぷり!
あなたの目標に合ったステップを見つけていきましょう♪