最近、翻訳業界でよく耳にする「ポストエディット」という言葉。
AI翻訳の精度がぐんぐん上がってきた今、「人の出番はもう終わりなのでは?」なんて心配している方もいるかもしれません。
でも実は、
AIと人間の“いいとこ取り”で成り立つのが、ポストエディット
という働き方なんです。
そしてこのポストエディット、
「翻訳の素人でもできるの?」という疑問を持つ方も多いようです。
この記事では、初心者でもポストエディットの仕事ができるのか?また、そのために必要なスキルや準備について、やさしく丁寧に解説していきますね。
ポストエディットってどんな仕事?
まずは、「ポストエディットとは何か?」を簡単にご説明しましょう。
ポストエディット(Post-editing)とは、AI(機械翻訳)が訳した文章を、人間がチェック・修正する作業のこと。
いまやGoogle翻訳やDeepLのようなツールが、かなりの精度で翻訳をしてくれる時代になりました。
とはいえ、完璧ではありません。
たとえば、
- 文の意味が逆になっていたり
- 日本語として不自然な表現になっていたり
- 文化的にふさわしくない言い回しが含まれていたり
…という“誤訳”もたくさんあるのです。
そこで登場するのがポストエディター(ポストエディットを行う人)。
AIの訳文をチェックして、自然で正確な文章に整えるのが仕事です。
翻訳の初心者でもできるの?
ここが一番気になるポイントですよね。
実は私も、AIの誤訳を発見して修正する仕事なら、
語学が達者じゃなくても、できるんじゃないかと安易に考えてしまいました。
結論を先にお伝えすると、
簡単な内容なら翻訳の初心者でもチャレンジ可能です!
たとえば、
- 文法的なミスの修正
- 誤字脱字のチェック
- 意味が通じないところを、日本語として読みやすくする
といった「ライト・ポストエディット」と呼ばれる作業は、
日本語ネイティブで読み書きが得意な方なら対応できることも多いです。
特に、日本語力に自信のある人や、文章の読みやすさに敏感な人には向いています。
ただし「プロの仕事」として続けるにはスキルが必要!
とはいえ、ずっと翻訳初心者のままで本格的にポストエディットの仕事をしていくのは、なかなか難しいのも事実。
なぜなら、AI翻訳には以下のような問題点があるからです。
- 文脈を無視して訳してしまう
- 慣用表現や比喩を直訳してしまう
- 業界特有の専門用語に対応できないことがある
これらを的確に修正するには、原文の言語(英語など)を正しく理解する力や、その分野の専門知識が必要になります。
また、最近は翻訳支援ツール(CATツール)を使った作業が主流なので、
TradosやMemsource(現Phrase TMS)などのツールの使い方を覚えることも大切です。
つまり、ポストエディットは「誰でもできる作業」ではなく、経験を積んでスキルアップしていくことで、プロとして安定して働ける仕事というわけですね。
ポストエディットで求められる主なスキル
では、実際にポストエディットの仕事を本格的にやっていくには、どんなスキルが必要なのでしょうか?
以下の3つが代表的です。
① 原文言語(英語など)を読む力
ポストエディットでは、AIの訳文だけを見るのではなく、元の原文と照らし合わせて確認することが基本です。
そのため、最低限の読解力は必須。
英検2級〜準1級レベルの英語力があると、安心してスタートできます。
② 日本語として自然な表現力
いくら訳が正しくても、日本語として読みづらければ伝わりません。
ポストエディターには「どうすればスムーズに読めるか?」を意識する力が求められます。
ブログやライティング経験がある人には、特に向いているかもしれません。
③ 専門知識やリサーチ力
たとえば医療、IT、法律、金融などの翻訳では、専門用語が頻出します。
それを正しく理解し、訳出できる力がある人は、AIではカバーしきれないニーズに応えられるので、高単価の案件にもつながります。
ポストエディットに興味があるなら、まずは「学ぶ」から始めよう
「やってみたいけど、まだ自信がない…」という方も多いと思います。
そんなときは、まずは基本的な翻訳の考え方を学ぶことから始めてみましょう!
最近では、以下のような無料の学習リソースも充実しています。
- YouTubeの翻訳講座
- 翻訳会社が公開しているサンプル教材
- 無料の翻訳支援ツール(MateCatなど)を使って練習
また、クラウドソーシングサイト(クラウドワークスやランサーズなど)には、初心者向けのポストエディット案件も少しずつ増えています。
まずは小さな案件から経験を積んでいくのも、良いステップです。
まとめ:ポストエディットは初心者にもチャンスがある新しい働き方!
AI翻訳の進化で「翻訳の仕事はなくなるのでは?」と不安になる気持ちはよくわかります。
でも、実際にはAIを活かしながら、人間の力がますます求められる新しい仕事が生まれているのです。
ポストエディットは、その最前線とも言える存在。
そして、初心者にも入りやすい部分がありながら、スキルを磨けばしっかりとした職業として成り立つ可能性を秘めています。
最初の一歩は、難しくありません。
「ちょっとやってみようかな?」
そんな気持ちが、未来の働き方を変えてくれるかもしれません。