RebroのデータをTfasに渡すなら?IFCとBE-Bridge、どっちがいい?

BIM

10年来のTfasユーザーの私が現在、
必要に迫られてRebroの練習をしています。

先日は、
図形の属性情報を維持したままデータを渡す形式に
『IFC(アイエフシー)』
『BE-Bridge(ビーブリッジ)』があると学んだのですが、
ふと、思い出しました。

他社さんからTfasで読み込める3Dデータとしてもらったものに
IFCBE-Bridgeの2パターンがあったことを。

で、今度は逆の立場。

RebroからTfasにデータを渡す場合は、どちらで渡すのが正解なのか?
ちょっと気になって調べてみました。

 

IFCとBE-Bridgeって何?ざっくり比べてみた

まずはざっくり、両者の違いを見てみます。

IFCって?

IFCは、Industry Foundation Classesの略。
建築・設備業界でよく使われる、BIMの国際標準フォーマットです。

たとえばRevitARCHICADなど、海外製のBIMソフトともやりとりしやすい形式。
形状だけでなく、材質や型番などの属性も含めてやりとりできるのが特徴です。

「世界共通のCAD言語」みたいな感じかな、と私は理解しました。

使いどころとしては、
建築設計者と設備担当者が異なるBIMソフトを使っていても、お互いにモデルをやりとりできるようにしたいとき。

または、干渉チェックや全体確認のために、中立的な形式でモデルを共有したいときなんかに向いています。

ただし、汎用性が高い分、設備図面として使うにはちょっと手間がかかる印象です。

BE-Bridgeって?

BE-Bridgeは、日本の設備業界向けに作られたデータ連携用の形式です。

RebroTfasCADWe’ll CAPEなど、
日本製の設備CAD同士でスムーズにやりとりするためのもの。

配管の系統や機器名、高さ情報など、
実務で必要な情報がちゃんと伝わるように設計されているのがポイントです。

いわば、「日本の設備業界における共通語」みたいな存在。

施工図を扱う現場のことをよく分かっている、まさに「現場目線」で作られたデータ形式という感じです。

 

実際にどっちが良いのか?Tfasで受け取ることを想定して比較してみた

RebroからTfasにデータを渡すとして、「どっちが便利なんだろう?」と思って調べた結果を、簡単に比較してみました。

対応ソフトの範囲

項目 IFC BE-Bridge
対応ソフト 世界中のBIMソフトに対応 国内の設備CADに特化
Tfasとの相性 △ 形式は読み込めるけど不完全 ◎ Tfasでの使用を想定して設計されている

Tfasに渡すことを前提にすると、BE-Bridgeのほうがしっくりくるみたいです。
IFCは形は読めても、中身の情報が抜けがちという声もありました。

たとえば、配管の線がポリラインに置き換えられていたり、属性がごっそり消えていたりと、再編集に手間がかかることも。

その点、BE-BridgeはTfasとの連携を想定しているだけあって、かなりスムーズです。

IFCデータをTfasで読み込んだら、見事に継手だけ2Dに変換されて、3Dで確認したら、ぶつ切り状態だったことがあります。

属性情報の再現性

IFCでも属性は残せるとはいえ、うまく読み込めないこともあるようです。

例えば系統が消えていたり、レベルがズレていたり、機器名が「???」だったり。

BE-Bridgeは、その点しっかりしていて、機器名・レベル・口径・系統などがちゃんと渡せるようです。
実際、Tfasで読み込んだあとに、「あ、ここ手直ししなきゃ」という箇所が少ないと感じる人も多いみたいです。

これならTfas側で作業する人も、拾い直しが少なくて助かりますね。

初めてBE-Bridgeでデータを貰った時は、読み込み方も分からず「なんじゃ、こら。」でしたが、“化け”はほとんどありませんでした。

編集しやすさ

Rebroで作った3D配管をTfasで編集したいとき、IFCだと「何が何だか…」状態になることがありまあす。
部材がひとかたまりの“形”として読まれるので、編集しづらいこともあります。

たとえば、ダクトが一体化していて分割できなかったり、継手の種類がうまく読み込まれていなかったり。

BE-Bridgeなら、部材ごとの属性が残っているので、Tfasで開いても使いやすいという評価が多いようです。

IFCが向いている場面もある

もちろん、IFCにも得意分野はあります。

たとえば、RevitなどのBIMソフトを使う設計事務所とデータ共有する場合とか、
干渉チェックや全体モデルの確認がメインの時なんかは、IFCが強いみたいです。

また、Navisworksなどのソフトを使って、各社のモデルを統合する場合もIFCが活躍するとのこと。

そういった「BIMモデルを幅広く共有したい場面」では、IFCは心強い存在です。

「編集する」より「確認する」「統合する」ような用途では、IFCの汎用性が役に立ちますね。

でも、「施工図を描く」「配管図を仕上げる」みたいな作業だと、やっぱりBE-Bridgeが合ってる印象でした。

 

RebroからTfasに渡すなら、BE-Bridgeがおすすめ!

いろいろ調べた結果、結論は…

RebroからTfasにデータを渡すなら、BE-Bridgeで渡すのが一番よさそう!

理由は以下のとおりです。

  • Tfasが正式に対応してる
  • 属性情報がきちんと残る
  • そのまま施工図の作業に入れる

っていう感じで、編集もスムーズにいくなら、BE-Bridgeにすべきだな~と思いました。

RebroからTfasに渡すだけでなく、Rebro⇄CAPEのやりとりにもBE-Bridgeが使えるそうです。

海外と連携するわけでもなく、国内の設備屋さん同士でのやりとりなら、BE-Bridgeを選んでおけば安心です。

 

どっちも使えないときは?

もし、Tfasのバージョンが古くてBE-Bridge非対応だったり、相手のCADがBE-Bridgeに非対応だった場合。
そのときはDWGやDXFなどの2Dデータに落として渡すという方法になります。

ただし、この場合は属性情報がすべて消えるので、「図面として見えるだけ」という状態になります。

後から拾い直すのも手間なので、できれば避けたいところです。

BE-Bridgeは更新されていない?今後も使い続けて大丈夫?

「BE-Bridgeが最近、更新されていない。」…と耳に入ったので、ちょっと調べてみました。

今のところは「問題なく使える」

RebroやTfas、CAPEなどの国内設備CAD同士でやりとりするには、今でもBE-Bridgeが一番手堅い形式だそうです。

現場でも普通に使われているし、属性情報も再現性が高くて「これで十分」という声が多いみたいですね。

Tfasのサポートページでも、BE-Bridgeでの取り込み方法がちゃんと掲載されていました(2025年時点)。

ただし、最近は更新されていない

BE-Bridgeは、2010年代に作られた共通フォーマットですが、ここ数年は公式な仕様更新の情報がほとんど出ていません

設備BIMやRebro本体の機能が進化する一方で、BE-Bridgeはそこまで追従できていない可能性もあります。

特に、Rebroで追加された新しい属性や独自機能などは、BE-Bridge経由だと反映されないことがあるかもしれません。

今後の動向は?

今後は、設備業界全体がIFC(国際標準)に寄っていく可能性もあります。

実際、大手ゼネコンや設計事務所では「BIMモデルの納品はIFCでお願いします」と言われることも増えてきていると耳に入ってきます。

また、Rebro自身がIFCとの互換性をどんどん強化しているので、BE-BridgeよりもIFC経由で連携するケースが今後増えるかもしれません。

ただし、施工図や日本の現場に根付いた情報をやりとりするには、BE-Bridgeの方が断然使いやすいのも事実。

しばらくは「BE-BridgeとIFCを使い分ける時代」になりそうです。

私なりのまとめ

状況 対応のおすすめ
今の設備図面作業 BE-BridgeでOK!
他社とのBIM共有 IFCを使うことも想定
将来の備え IFCの使い方も少しずつ覚えておくと安心

まとめ:迷ったらBE-Bridgeで渡してみる

最後にもう一度、ざっくり整理しますね。

使用目的 おすすめの形式
海外製BIMソフトとの連携 IFC
BIMモデルの確認・干渉チェック用 IFC
Tfasとの施工図ベースの連携 BE-Bridge
国内の設備CAD同士のやり取り BE-Bridge

今のところ、BE-Bridgeは「安定して使える・実務で役立つフォーマット」として、まだまだ現役です。
経験上、IFCよりも化けが少ないので、RebroからTfasへCADデータを渡す際は、私もしばらくはこれを使い続けるつもりです。

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