CADオペレーターは正社員として雇われることが少ない?

CAD

こんにちは。

今回は、「CADオペレーターって、正社員にはなりにくいの?」というテーマで、ちょっと現実的なお話をしてみようと思います。

というのも、先日、
「CADに興味があるんですけど、CADオペで正社員って難しいですか?」と、CADに興味を持たれた若い女性から相談される…という出来事があったんです。

結論から言うと、
CADオペレーターが正社員として雇われるのは、正直なところ“あまり多くない”のが実情です。

でも、まったくチャンスがないわけでもありません。

このあたり、私自身の18年以上の経験を交えながら、お伝えしていきますね。

 

私自身の働き方:派遣からフリーランスへ

私はこれまで、CADオペレーターや施工図作成の仕事をずっとしてきました。
18年ほどのキャリアになりますが、フリーランスになる前はずっと派遣社員として働いていました。

派遣先は建設会社やサブコン、大手ゼネコンなどさまざまでしたが、正社員として雇用されたことは一度もありません。

ただし、過去に二度だけ、正社員のお話をいただいたことがあります。
いずれも地元の中小建設会社からのお声がけでした。

でも、そのときは正社員になると月収が6~7万円も下がってしまうという条件だったんです。
もちろん、正社員になればボーナスも出ますし、年収ベースで見ればそれほど差はなかったのかもしれません。

けれど当時は、もっとスキルアップしたい、収入も上げたいという思いが強くて、結果的にお断りしました。

今思えば、あれが人生の分かれ道だったのかもしれませんね。

ただ、当時の選択に後悔はしていません。

その後、いろいろな会社や現場を経験できたことで、スキルの幅も広がり、“在宅で施工図を描く”という、“現在”に繋がっているのですから。

 

正社員の壁:大企業の場合

CADオペレーターとして働く中で、大企業の現場にも何度も入りました。
そんな中で感じたのは、大手になるほど、CADオペを正社員にするケースはほぼ見かけないということです。

一度、ある大企業で契約社員として直接雇用の話が出たことがあります。
ただ、そのときも派遣会社との兼ね合いで話が流れてしまいました。

後から聞いた話ですが、
派遣社員を直接雇用に切り替えるには、企業側が派遣会社に高額な違約金(紹介料)を支払う必要があるらしく、
上司の方が電卓を叩きながら、「派遣として使い続けるか、直接雇うか」を、計算しながら悩んでいたのを覚えています。

結局そのあと、別の派遣先に異動することとなり、その話は立ち消えになりました。
正社員採用の話って、タイミングや会社の都合にも大きく左右されるんですよね。

 

例外的なケースもあります

もちろん、まったく例外がないわけではありません。

一級建築士の資格を持っている同僚が、正社員採用を打診されていました。

ただ、その同僚は、子育てを優先したいという理由で、自ら派遣勤務を希望されていたので、正社員採用の話を断っていました。

また、CADオペではありませんが、施工管理の仕事であれば、大手でも正社員として採用されている人をよく見かけます。

たとえば、20代前半の女性が現場で施工管理をしながら図面も描いていて、そのまま正社員として働いているケースがありました。

年齢的にも新卒として採用可能との事で、3月までは派遣社員。
4月からは入社し正社員として、そのまま同じ現場に配属されていました。

また、40代の男性で、施工管理と図面作成の両方を担当していた方が(施工図を描く比重が多し)、大手サブコンで正社員として採用されたのも見てきました。

施工管理の場合は、常に人が足りていない状況なので、正社員へのハードルが低い傾向にあります。

【施工管理とは?】

建設現場で、工事が計画どおりに進むように調整・指示を出す仕事です。

たとえば、「職人さんの手配」や「工期の管理」、「安全や品質のチェック」など、現場全体をまとめる役割を担っています。
図面だけでなく、現場の流れや人の動きも理解していないとできない、ちょっとハードだけどやりがいのあるポジションです。

 

現場経験はやっぱり強い

正直なところ、CADオペレーターだけで正社員採用されるのは、かなり狭き門です。
でも、現場経験がある人は別

現場でのやりとりや施工の流れを理解している人は、より実践的な図面が描けるようになりますし、
会社側も「育てやすい」「任せやすい」と判断する傾向があります。

たとえば、「ここは天井裏に配管を通せるスペースがあるな」とか、「この経路は職人さんにとって施工しやすいな」といった目線で図面を描ける人は、とても重宝されます。

ただ、現場は今でも男社会の色が濃く、セクハラや無理解に悩まされるケースもゼロではありません。

特に女性の場合は、その点もふまえて覚悟が必要かもしれません。

でも、現場経験を積んだ女性CADオペさんが、どんどん活躍の場を広げているのも事実です。

 

まとめ:正社員になるには“図面以外”の強みも必要

私の経験を通して感じるのは、CADオペレーターとして正社員を目指すなら、中小企業のほうがまだチャンスはあるということ。

大企業では、設計や施工管理など“プラスα”のスキルや資格がないと、正社員登用はかなり厳しい印象です。

でも逆に言えば、最初に施工管理として入社しておいて、あとからCAD担当へ移るという道もあるのかもしれません。

ただし、それを認めてくれるかどうかは会社によりますし、事前にそのあたりの確認はしておいたほうが安心です。

「CADのスキルだけじゃ心もとないな…」と感じている方は、
ぜひ、図面だけじゃない“現場の理解力”や“コミュニケーション力”といった部分にも目を向けてみてくださいね。

そういう力が、結果的に自分の働き方を広げてくれることもありますよ。

正社員という道にこだわらず、自分に合った働き方を柔軟に選べるようになると、ぐっと気持ちもラクになります。
そのためにも、情報収集をしながら、自分の希望に合った働き方をじっくり探してみてください。

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