建設業でよく使うCADの拡張子(ファイル形式)まとめ|Tfas・Rebro・AutoCAD・Jw_cad・Vectorworksなど解説!

Auto CAD

拡張子とは、ファイル名の最後につく「.〇〇〇」の部分のこと。
たとえば、Excelで作成したファイルは「.xlsx」、Wordなら「.docx」といった具合です。

これと同じように、CADの図面にも「.dwg」や「.jww」などの拡張子があり、どのソフトで作られたか、どのソフトで開けるかを示す目印になっています。

たとえば図面データを送ってもらったら「.dwg」だったけど、自分のソフトでは開けない……なんて経験、ありませんか?

TfasやRebro、Jw_cad、AutoCAD、Vectorworks、さらにはBIM系のRevitなど、使うCADによってファイル形式がバラバラなのが現場あるあるです。

今回はそんなモヤモヤをスッキリ解消するために、建設・設備業界でよく使われるCADのファイル形式(拡張子)を、2D・3Dに分けて、初心者向けにやさしく解説します!

 

CADの拡張子ってなに?

CADにも、CADソフトによって様々な拡張子があります。
たとえばAuto CADは「.dwg」が拡張子です。

CADソフトは、この拡張子によって「どのソフトで開けるか」「どんなデータが入っているか」を判断します。
つまり拡張子は、CADデータの“パスポート”みたいなものなんです。

拡張子が違うと開けなかったり、表示が崩れたりすることもあるので要注意!

 

2D CADでよく使われるファイル形式

建設業で2D CADを使う現場はまだまだ多いですよね。
図面の修正やトレース、施工図作成など、2D CADは今でも重要な役割を担っています。

ここでは、2D CADでよく使われる拡張子を紹介します。

● .dwg(AutoCAD系)

  • 読み方:ディーダブリュージー
  • 対応ソフト:AutoCAD、BricsCAD、Tfas、Rebro、Vectorworks など
  • 特徴:2Dでも3Dでも使えるけど、2D図面で使われることが多い、AutoCADの標準形式。世界中で使われている王道フォーマット。

AutoCADといえば、世界中で使われているCADソフト。
その標準ファイル形式が「.dwg」です。

汎用性が高く、他のCADでも対応している場合が多いので、建設業界ではかなりメジャーです。

建設業界では「図面をDWGでください」と言われることも多く、事実上の業界標準になっています。
TfasやRebroもDWGの読み込みに対応していますが、変換によってズレが出ることも。

● .dxf(中間交換形式)

  • 読み方:ディーエックスエフ
  • 対応ソフト:ほとんどの2D CADソフトで読み込み可能
  • 特徴:異なるCADソフト間で図面をやり取りするための中間ファイル。ほぼどんなCADでも開ける。

「互換ファイル」とも呼んでいます。

「dwgは読めないけど、dxfなら開けるよ」というCADソフトが多く、ソフト間の橋渡し役として使われます。

ただし、レイアウトや文字情報などが一部欠ける「文字化け」「線化け(図形の崩れ)」に注意は必要ですが、最終手段として役立ちます。

● .jww・.jwc(Jw_cad)

  • 対応ソフト:Jw_cad、Tfasなど
  • 特徴:日本国内で根強い人気。特に建築・設備関係の中小企業や個人事業主が多く使用。シンプルで軽い。

「jww」はJw_cadという日本製のフリーソフトで使われている拡張子。
建設業界では「うちはJwでやってるよ」という会社もたくさんあります。

ただし、JWW形式は他のCADとの互換性が低いため、DXFなどへの変換が必要になることもあります。

ファイル形式 説明 互換性
.dwg AutoCADの標準形式 多くのCADで読み込み可能
.dxf 交換用の中間形式 ほとんどのCADで使用可
.jww Jw_cad専用形式 他ソフトでは変換が必要なことも

日本で開発されたCADソフトは、Jw_cadのデータをそのまま読み込めるものもあるけど、外国で開発されたCADの場合、DXFに変換して読み込むせいか、文字化け・線化けがひどいことが多々あります。

 

.Jwwと.jwcの違いは、こちらの記事を参考にしてね!

 

3D CAD・BIMで使われるファイル形式

3D CADは主に建築・設備のBIM(ビム)や、詳細なモデリングに使われています。
設備BIMや施工モデル、干渉チェックなどにも大活躍!

ここでは、建設業界でよく使われる3D CADファイルを見ていきましょう。

● .rvt(Revit)

  • 対応ソフト:Autodesk Revit
  • 特徴:BIMモデル専用。建築・構造・設備すべてに対応。

図面だけでなく、情報付きの3DモデルとしてBIM業務に必須。
Revit以外のソフトで読み込むには「ifc」形式への変換が必要です。

● .ifc(BIM共通フォーマット)

  • 読み方:アイエフシー
  • 対応ソフト:Revit、ARCHICAD、Rebro、Vectorworks、Tfas(一部)など
  • 主な用途:BIMデータの受け渡しに特化した汎用形式
  • 特徴:Revit、ARCHICAD、Rebroなど、異なるソフト間でのデータ交換を目的とした中立フォーマット。

建設業のBIM業務で「BIMモデルを提出して」と言われたら、とりあえずIFC形式で納品することが多いです。
ただし、すべてのデータが完全に変換されるわけではなく、表現や属性がずれることもあります

● .reb(Rebro)

  • 対応ソフト:Rebro(NYKシステムズ)
  • 特徴:設備BIM専用のファイル形式。主に施工図・モデル用。

Rebroではこの形式で保存されます。Revitや他のBIMソフトとやり取りするにはIFC変換を使います。

● .tfs(Tfas)

  • 対応ソフト:Tfas(ダイテック)
  • 特徴:建築設備用CAD。2D図面と3Dがリンクしているのが特徴。

Tfas同士でやり取りする分には「.tfs」でOKですが、外部共有時にはDWGまたはDXFへ変換することが一般的です。
Jww形式のままファイルを開いたり保存することも可能です。

他のBIMソフトとやり取りするにはIFC変換を使います。

● .vwx(Vectorworks)

  • 対応ソフト:Vectorworks(エーアンドエー社)
  • 特徴:建築・内装・ランドスケープなど幅広く対応するCADソフト。

建築設計やプレゼン図面でよく使われているVectorworks。
日本の設計事務所やインテリア系の企業で根強い人気があります。
専用の拡張子「.vwx」が基本ですが、DWGやIFCにもエクスポートできます。

 

主要CADと拡張子まとめ表

ソフト名 主な拡張子 特徴と備考
AutoCAD .dwg, .dxf 世界標準の2D/3D CAD
Jw_cad .jww, .jwc 軽量・無料・日本製CAD
Tfas .tfs, .dwg 設備専用。2D/3D連携可
Rebro .reb, .ifc 設備BIM向け。Revitと連携
Revit .rvt, .ifc 建築・構造・設備のBIM
ARCHICAD .pln, .ifc 建築BIMに特化
Vectorworks .vwx, .dwg, .ifc 建築・内装設計など幅広く活用
BricsCAD .dwg, .dxf AutoCAD互換。価格が魅力
IJCAD .dwg, .dxf 国産AutoCAD互換CAD

「主な拡張子」の欄は、代表的な拡張子を記載しています。記載されていない拡張子以外にも、対応している拡張子があります。
特にBIMソフトは、目的によっていくつも保存形式(拡張子)がある場合があります。

 

実務で困らないためのファイル形式対策ポイント

  1. CADの種類と保存形式を覚えておく
    → Jw_cadかTfasか、RebroかRevitか、把握しておくことが第一歩!
  2. やり取りには中間形式を使う
    2Dは「.dxf」、3Dは「.ifc」が基本
  3. 変換後の図面を必ずチェック!
    → 線種・文字化け・寸法のズレが起こる可能性があります。
  4. CADビューワーやコンバーターを活用
    → 無料で使えるものも増えてきています!

💡ワンポイント解説:CADビューワーとコンバーターの役割とは?

図面の受け渡しやソフト間の連携を行う上で重要なのが、CADビューワーコンバーターの存在です。

CADビューワー

CADビューワーは、CADソフトを持っていないユーザーでも図面データの中身を確認できる「閲覧専用ツール」です。

寸法やレイヤー構成、属性情報を確認できるものもあり、設計者以外の関係者(施工管理、発注者、営業担当など)でも図面の内容を把握できます。

Autodesk Viewer や Rebro Viewer など、ビューワーが用意されているCADソフトはいくつもあります。

コンバーター

コンバーターは、異なるCADソフト間でファイル互換を実現するための形式変換ツールです。

たとえば、設備設計に強いTfasやRebroで作成したデータをAutoCAD形式(DWG/DXF)へ書き出したり、逆に他CADのデータを読み込みやすくするためにJWW形式やIFC形式に変換したりする際に使用します。

変換時には図形の精度やレイヤー構造が崩れるリスクもあるため、実務では内容確認を伴うチェック体制が求められます。

特に複数のCADソフトが混在する現場やBIM導入プロジェクトでは、これらのツールを適切に活用することが、情報のロスを防ぎスムーズな図面管理につながります。

 

まとめ|ファイル形式を知って図面のやり取りをスムーズに!

建設・設備業界では、CADソフトもファイル形式も多種多様になっています。
ただし、よく出てくる拡張子を理解しておけば、図面の受け渡しで困ることも減ってきます。

よく出てくる拡張子まとめ(目的別)

2D図面保存.dwg, .dxf, .jww
BIMモデル保存.rvt, .reb, .vwx
BIMデータ交換.ifc

拡張子とその意味をしっかり押さえて、他社や他ソフトとのやり取りがスムーズにできるようになりましょう!

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