覚えておくと役に立つ!思わずクスッと笑える建設業界の『動物スラング』大集合

CAD

建設業界には「通称」「現場用語」「俗語」と呼ばれる言葉がたくさんあるんですが、中には思わず笑ってしまうようなユニークな呼び名があります。

その中でもとりわけユニークなのが動物の名前がついたスラングたち。
聞いた瞬間に「え?今なんて言った?」と二度聞きしてしまうものもあったりして。

実際に現場で使われている用語なので、知らないと会話についていけなかったり、恥をかいてしまったりすることもあります。
でも逆に、覚えておくと「なるほど!そういうことか!」と現場の雰囲気がもっと楽しく、もっと身近に感じられるようになるはずです。

ということで今回は、建設業界でよく使われる“動物の名前がついたスラング”を一挙ご紹介!
職人の遊び心や経験が生んだ、面白くて実用的な俗語ばかりですよ!

 

① ハト小屋(はとごや)

意味:屋上にある設備スペース(機械室や空調設備が入るBOX状の建物)

見た目がポコッと出っ張っていて、確かに「ハトが住んでそうだよね」なんて言われたのが語源だそうです。
屋上にエアコンの室外機やファンを設置している場合、配線・配管・ダクトの出入口にもなります。

中には本当に屋上で鳩を飼っているビルがあって、
「ホンマもんの鳩小屋だー!」と仲間うちでウケました♪

② 犬走り(いぬばしり)

意味:建物の基礎の周りにあるコンクリート通路
犬が走れるくらいの幅しかない…ということでこの名が付いたとか。
「ここをお通り下さい。」と、お犬様にわざわざ通路を作っているわけではありません。

実際は、人間も走れそうな幅の犬走りもたくさん見かけます。

③ キャットウォーク

意味:天井裏などに設置された、点検用の細い通路
猫のようにスイスイ歩かないと落ちそうになるからこの名前。

この名称を耳にする度、腰をくねらせて優雅に歩く猫をイメージしてしまう私です。

④ タコ足配線

意味:コンセントからコードを何本も分岐させること
まるでタコの足のように配線がぐにゃぐにゃと…実際は火災の危険もあるので、笑いごとではありませんが、名前のインパクトは強烈!

電力会社などが注意喚起のためにCMで流していることもあるので、知名度は高いスラングかも知れませんね。

⑤ カラス口

意味:製図用のインクペン(コンパスの一種)
見た目がカラスのくちばしのように尖っていることから、このネーミング。
今はCADが主流になってきて絶滅寸前のカラス口だけど、ベテランには懐かしい相棒。

昔の漫画家のアイテムでもあった気がします。

建設業界の“動物スラング”27選

他にもいろいろありますので、まとめて表にしてみました。

No 用語 意味・用途例
1 ハト小屋 屋上にある設備室・機械室などの出っ張り部分
2 ネコ・ネコ車 手押し一輪車(コンクリート運搬などに使用)
3 犬走り 建物の周囲を囲む狭いコンクリート通路
4 キャットウォーク 天井裏などの点検・作業用の細い通路
5 タコ足配線 電源タップなどを過剰に接続した状態
6 カラス口 製図用のインクペン、カラスのくちばしに似た形
7 鳶(とび) 高所作業を専門とする職人、鳥のように高い場所で動く
8 馬(うま) 足場や材料を支える作業台
9 虫ピン 仮止め用のピン、建築模型や図面に使われる
10 猫足バスタブ 猫の足のような装飾付きのバスタブ
11 蟻継ぎ 木材を組むときの技法、蟻のようにかみ合う接合部
12 カニクレーン 狭所作業用の小型クレーン(足がカニのように広がる)
13 ヘビ管 柔軟性のある可とう管、ぐねぐねしてヘビのよう
14 トンボ モルタルや土間仕上げで使うならし道具
15 モグラ 穴掘りスコップ(ダブルスコップなど)
16 カラス 配管接続などに使う工具(ウォーターポンププライヤーの通称)
17 シャコ U字型金具。玉掛けなどで使用される
18 デンデン 雨どいを固定する金具。巻貝のような形
19 サル 雨戸の木製ストッパー(引き戸を止める道具)
20 蜂の巣パネル ハニカム構造の建材や断熱材(軽量で強度が高い)
21 サシバ 鳶職の親方格の人、猛禽類からの転用(監督的立場)
22 クジラ 大型鋼材の例えとして使われることがある
23 イナゴ配線 配線が乱雑に飛び跳ねているような状態
24 アリダクト アルミ製のフレキシブルダクト
25 バッタ足場 仮設で不安定な足場(バッタのように跳ねる)
26 ウナギ配管 うねうねと複雑な経路を通る配管
27 キツネ色 木材の焼き色がちょうどよい状態(感覚表現)

 

なんで動物の名前が使われるの?

じつは、多くのスラングにはちゃんとした“由来”があります。

  • ネコ車 → 前にタイヤがひとつだけ、軽やかに動く様子が猫のよう?
  • タコ足配線 → 電源タップからコードがニョロニョロ…タコの足みたい!
  • カニクレーン → カニのように脚を広げて、狭い場所でもしっかり立つ!

…など、形や動き、雰囲気を連想させるネーミングが多いんですね。

現場の職人さんたちの、遊び心と経験に裏打ちされたネーミングセンス、なかなか侮れません。

 

海外にもある!動物にちなんだ建設用語

海外にも動物に因んだ建設用語は無いかなーと思って少し調べてみたら…。

ありましたありました!

意外とたくさんあって、全部を紹介していたらきりがないので、英語圏のものを3つほど紹介しますね。

ドッグハウス(Dog house)

「ドッグハウス」って聞くと、まんま犬小屋かな?って思いますよね。
でもこれは、現場で使われる仮設の小屋のことだそうです。

作業員さんの休憩所だったり、機械の保管場所だったりするそうで、簡易的につくられている感じが「犬小屋」っぽくて、この名前が付いたとか。

なんだか、私たちの現場でいう「ハト小屋」にちょっと似てる気がします。

仮設小屋をドッグハウスだなんて、海外の犬小屋は大きいのかな!?

モンキーボード(Monkey board)

こちらはちょっと専門的な話になりますが、高い場所で作業する人が使う「足場」のことを「モンキーボード」と言うらしいです。

とくに石油関係の現場なんかで使われているそうで、高いところを身軽に動き回る様子が、まるでおサルさんみたいだから…なんですって。

なるほど、たしかに高所作業は命がけですし、すばやく動ける人じゃないと務まりませんよね。

キャットラダー(Cat ladder)

これも、名前のとおり「ネコのはしご」です。
屋根の上なんかで使う、細くて軽い仮設のはしごのことを、こう呼ぶんだそうです。

「猫みたいにするするっと登るから」なんて、ちょっとかわいらしい発想ですよね。
でも実際は、現場では滑ったりしたら大変ですから、気をつけないといけませんね。

 

まとめ:動物スラングを知れば現場がもっと楽しくなる!

建設現場で飛び交う俗語は、現場ならではのユーモアと知恵が詰まった文化のひとつ。
最初は戸惑っていた人も、いつの間にか「ハト小屋の雨仕舞いどうなった?」なんて自然に使ってたりします。

ちなみに私も、CADオペになったばかりの頃、図面に「ハト小屋」と書かれているのを見て、(へぇ~、このビル。屋上で鳩を飼ってるんだ!)と本気で思い込んでいた経験があります。

それどころか、「このビルってなんと!鳩を飼ってるみたいですよ!」と部署内の人との会話のきっかけにしようとまで思っていたほど。(結局その話題は出せなかったのですが…)

後日、それが建設用語だと知って、「あー。あの時、話題にしなくて良かったぁ〜!大恥かくところだった!!!」と心底ホッとしたのを覚えています。

これから建設業界に入る方や、図面に興味がある方は、こういった俗語を覚えると会話の幅もグッと広がりますよ♪

くれぐれも、「ここのビル、屋上で鳩を飼っているみたいですよ。伝書鳩ですかねー?」なんて話題にしないように、気を付けて下さいね(笑)

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