最近、設備業界の中で明らかに感じる変化があります。
それは、Tfas(ティーファス)からRebro(レブロ)への乗り換えが加速しているということ。
私のまわりでも、びっくりするくらい、空調や衛生設備の会社が次々とTfasを手放し、Rebroへ移行しています。
この業界に身を置いているからこそ、Rebro人気の高まりを肌で感じ取っています。
とはいえ、TfasにはTfasの良さがあります。
それなのになぜ、ここまで次々と、空調や衛生設備の会社がTfasを捨ててRebroに移行するのか。
その具体的な理由を知りたくて調べてみました。
なぜここまでRebroへの移行が進むのか?
TfasからRebroへ移行する設備会社が増えている背景には、以下のような理由があると感じます。
1. BIM(3D)対応の強さ
Rebroは「設備専用のBIMソフト」として設計されており、3Dモデリングに最適化されています。
Tfasでも3Dは扱えますが、Rebroの方が
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モデルの表示が軽い
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ビジュアルが見やすい
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設備同士の干渉チェックがしやすい
など、3Dを前提とした設計環境になっています。
2. 大手ゼネコン・サブコンがRebroを指定するようになった
大手ゼネコン(鹿島・竹中・大成など)やサブコン(高砂・新菱冷熱・三機など)で、Rebroの導入が続々と増えており、「Rebroデータで納品してください」という案件も増えています。
Tfasで描いた図面をRebroに変換すると、“化け”などが発生してトラブルのもとになるため、最初からRebroで描く方が効率的です。
3. 業務の自動化・効率化が進んでいる
Rebroには、ルート自動生成・高さ自動調整・干渉自動検知など、「作図を助ける機能」が充実しています。
Tfasは2Dをベースに機能追加された面があり、こういった自動化に弱いと感じる声もあります。
4. 設備以外との連携が強い(構造や建築と連携しやすい)
Rebroは建築モデル(Archicad、Revitなど)と連携しやすく、構造や建築モデルと干渉を見ながら設計できるのが大きな利点です。
5. プレゼン・施主説明で3Dが使える
完成イメージを3Dで見せることで、施主や現場との打ち合わせがスムーズになります。
Rebroの高精度な3Dモデルは、そのままプレゼンにも使用できるレベルです。
6. ライセンス形態が柔軟になった
近年では、Rebroのサブスクリプションライセンス(年額制)が導入され、以前よりも導入のハードルが下がっています。
「以前は高すぎて手が出なかったけど、今は月額換算で考えると導入できる」という会社もあります。
7. サポート体制・教育体制が手厚い
Rebroは公式サイトで
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無料の動画講習
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初心者向けeラーニング
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ユーザー会での事例紹介
など、教育支援が手厚く、学びやすい環境が整っているのも理由のひとつ。

私も公式サイトの動画を観ながら練習しました。
8. Tfasに将来性を感じないという声も…
Tfasは長年使われてきた安心感がありますが、
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「2D中心なので時代遅れ」
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「CADWe’ll LinxがTfasの後継と聞いたけど、全然普及してない」
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「Linxの操作が使いづらい」
といったネガティブな声もあり、「それならRebroにしよう」という会社が出てきています。
9. 若手の設計者がRebroを好む傾向
若い世代は3Dに慣れており、「2Dより3Dのほうが感覚的にわかりやすい」という声が多いです。
結果として、若手に人気のあるRebroを会社全体で導入する流れが加速しています。
10. クラウド対応や今後の拡張性に期待
Rebroは今後、クラウドやAIとの連携、IFCとの連動など、将来的な進化が期待できるソフトです。
「どうせ学ぶなら、これから伸びるソフトを選びたい」という判断でRebroを選ぶ会社もあります。
TfasよりもRebroが使いやすいと思った個人的な理由
次に、私自身がRebroを触ってみて、「Tfasよりも断然使いやすい!」と思った点をいくつかお話しますね。
配管が器具や機器に簡単に繋がってくれる!
私が初めてRebroに触れたのは、約10年前。
その頃はCADEWAを使っていました。
NYKシステムズ社の方が社に来られて、Rebroの一日講習を行ってくれました。
私もそれに参加。
講習ではトイレの配管図を描いたんですが、これが驚きの連続。
大便器や小便器をクリックするだけで、瞬時に汚水管が自動で繋がっていくんです。
「え、もう配管終わり?簡単すぎ!」と、感動したのを覚えています。
断面図・アイソメが自動的に作図される
次にRebroを触ったのは約1年半前。
取引のある会社から社内教育用ライセンスを貸してもらい、夜や空き時間にコツコツ練習。
その時に(楽だぁ~!)と思ったのが、平面図を描くと同時に断面図が完成するという仕組み。
Tfasも、平面図と断面図は連動しているものの、リアルタイムで断面図が作成されるわけではなく、別途、作成する必要があります。
なので図面修正があると、断面図も同じ箇所を修正するか、一から作成し直す羽目になります。
その点Rebroでは、まるで連動しているかのように、断面図やアイソメ図まで同時進行で仕上がってくる。
これは、本当に素晴らしすぎです(感涙)
登録した機器の3D表示が違いすぎる
もとから入っている機器データではなく、自分で機器登録した場合ですが、
Tfasはメーカー提供の3Dデータが無い場合、2Dのデータを使って『五面図登録』というものを行います。
例えば受水槽で比較しますと…

画像は、違う型の受水槽ですが、そこは気にせず、TfasとRebroの仕上がりの違いをご注目下さい。
Tfasで作成した受水槽
完成した機器は、3Dで見ると、ただの立方体の各面に機器の絵が描いてある程度の、おそまつな物ができあがります。
私は、本体から飛び出た部分は透けて見えるように作っています(ちょっとしたコツがあります)
ただ、そこまでやらない人も多いので、その場合、飛び出ている所も全部、単なる立方体になってしまって、配管の接続部分なども、埋もれて見えなくなってしまいます。
Rebroで作成した受水槽
上記の画像は、Rebroで作成したものをTfasで3D表示したものです。
Rebroだと、このレベルの機器が作れるのでリアリティもあり、配管の接続部分もきちんと見えます。
正直、このレベルの差は大きいです。
ルート変更がスムーズ
Tfasだとルートを変更した際、枝管がついてこなかったり、角度が変に崩れたりすることがありますが、Rebroは綺麗に処理してくれます。
配管部材の種類が豊富
Rebroの方が管材の種類が多いです。
そのためRebroで描いた図面をTfasで読み込むと、Tfasには無い種類の配管が「化ける」ことがあります。
以前、Rebroで描かれた図面をTfasで開いたら、直管は他の管材に置き換えられていたのですが、継手が全部2D表示に変わってしまい「ぎゃー!」と小さな声で悲鳴を上げたことがありました。

3D表示したら、ぶつ切り状態の配管図になっていました。
そして泣く泣く、全部描き直しをした経験があります。
まとめ:私も納得したRebroの実力
もちろんTfasにも根強いファンがいるし、ソフトとしての完成度も高いです。
(私もTfas大好きですし)
ただ、今後の設備業界を見据えると、Rebroへの移行は避けて通れない流れになってきているのは確かです。
私の体験上、大手のサブコンは早くからRebro導入を始めていました。
でも中小の設備会社は、長らく様子見…という状況。
ところがここへ来て、中規模の設備会社が次々とRebro導入を始めたので驚いています。
大きい建物のBIM化がかなり進行してきたのも一因かな~と思っています。
もし「Tfasでずっとやってきたから…」と迷っている方がいたら、
一度、Rebroを触ってみてください。
私が感じたような「簡単すぎて感動!」を、きっと味わえると思います。

一度、Rebroを触ってみたいな~と思ったかたは、こちらの記事も参考にしてネ!↓